日銀による円買い介入も3日で効力を失い、元の水準まで戻ってしまったが、これは当然のことであり、今後ドル円は150円を超えて行くことになる。為替介入を行っても効果はほんの一瞬であり、流れを止めることはできないのだから無駄なことは止めた方がいいと思う。この円安の流れを止めるには日本の金利を上げるしか手はないのである。だがその前に円安を本気で止める気があるのかどうかが疑わしい。今でも円安のほうが日本経済にはプラスであると思っている人が多いような気がする。つまり円安のままでいいんじゃないの、無理に円安を止めなくても・・・と思っているのではないか。円安が日本経済にプラスだったのは昭和の時代の昔の話である。当時は確かに輸出企業のほうが多かったからそういう理屈が成り立ったわけだが、今は輸出と輸入は同数量であるからその理屈は成り立たなくなってしまっている。日本全体ではそうなのだが、日経225種採用企業に限るとまだ輸出企業のほうが多いことから、株価的には円安のほうがいいということになって、いまだに昔のままの論調(円安容認論)が幅を利かせているようだ。しかし現実はもう違うのだからいつまでも円安がいいと言い続けるのはどうなの?と思う。企業ベースでさえこうだから国民ベースで考えたら円安がいいわけがない。今ならもっと円高を望む声が大きくなってもよさそうなものだが、その気配はあまり感じられない。このままだとどんどん生活は苦しくなっていくばかりだというのに。黒東日銀はそんなことはお構いなしに緩和姿勢を改めるつもりはないようだ。今金利を上げると景気の悪化を招くとして頑として譲らないのだが、このままでは円安で物価はさらに上がり国民を苦しめることになる。せめて給料でも上がればいいのだが、企業のほうも円安だからと言って収益がそんなに良くなるわけではないから給料も上がらない。ほんの一部の大手の輸出企業だけは収益が多少向上するとしても、賃上げにまで至るかどうか疑問であるし、仮に至ったところで国全体から見ればそんな企業に勤める人はわずかでしかない。前にも書いたが現在のYCCで抑えている0.25の金利を0.5にしたところで景気はさほど影響を受けないだろうし、何より日銀が金利を上げる姿勢に転じたというインパクトで円安トレンドは一気に転換する可能性がある。黒東が金利を上げると景気が悪くなるから・・・という理屈は、私には金利を上げると国の財政が悪化するから・・・という理屈にしか聞こえてこないのである。このまま行けばドル円は150円を超えて160円を目指す展開になるだろうし、物価は3%を超えて4%から5%に達することになるだろう。それでもいいんですよね? 日銀が今の金融政策を変えないのは黒田総裁が物価上昇は一時的なものと考えているからなのだが、果たして本当に一時的な物価上昇なのか、来年になったら物価は下がるのか? かつてパウエルもラガルドも以前おんなじことを言ってたんだけど黒東はダイジョブなんだよね、間違わないんだよね、心配しなくていいんだよね。
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