潔い鮨屋

 私の自宅から200メートルばかり離れたところに鮨屋がある、いや、あったのだが、コロナが流行りだして3月の上旬には早々に店を閉めてしまい、それ以降まったく店を開けていない。 つまりもう4か月以上営業を休んでいる。 多くの飲食店は緊急事態宣言の中でも客は入らなくても一応店は開けて営業を続けていたところが多かったと思うが、この鮨屋は初期の段階で見切りをつけたようだ。 思うに多分今後店を開けて営業を再開することはないのではないかという気がしている。 店は住宅街にあり、自宅の1階部分を店舗にして営業していたから、店の賃借料はかからないというものの、店を開けなければ当然収入は入ってこない。 まぁ店を開けていた時も住宅地にあるぐらいだからお客さんはもともと少なかったけどね。 それにしても3月の上旬の段階で早々と店を閉めて以降は一切営業しないというのは潔いというか、無駄な経費はかけないというか、見切り上手と言えるだろう。
 最近の感染拡大で飲食店は再び窮地に立たされることになりそうだ。 お客の入りが少なければ材料費と人件費を削減すれば、減収にある程度対処できるが、家賃だけはどうしようもない。 行政もこれ以上の家賃補助は財源もないだろうから難しい。 MMT論者ならすぐに国債を発行すればいいというのだろうが、為政者にしたら金はこれ以上できるだけ使いたくないというのが本音である。 いや、為政者だけでなく、国民の多くもこれ以上の国債発行は大丈夫なのか?という不安を抱えているように思う。 そらぁ何でもかんでも補助してたら単年度で国債を100兆円近く発行しなければならなくなるだろう。 今ですでに70兆円台の国債発行となっているのだから。 MMT論者はそれでも国債発行すればいいと言うだろうが、物事には程度というものがある。 私は単年度で100兆円の国債発行は、日本の経済規模から見て度を越えたものになるのは間違いないところだと思っている。 こんなことが仮に2~3年続けばどうなるかはちょっと想像力を働かせてみれば分かることだ。 だからといって金を買ったら?と言うつもりはない。 じゃあ補助や給付がこれ以上難しいのなら、貸付でというのも無理筋なように思う。 仮にコロナがいつか収束したとして、すぐに返済できるほどの収益が見込めるのか?ということである。 これ以上新たに貸付制度を創設したところで、よほどアホな経営者でない限り、自分の返済能力以上に借り入れを増やすなんてことはしないだろう。 まぁ借りれるだけ借りといて自己破産という手もあるにはあるがね。


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