日銀の債務超過は不可避か

 今から2年ほど前にこのテーマについては1度記事にしているが、当時は相場が上り調子であり、誰もこのテーマについて真剣に考える人はいなかったと思われる。 だが今なら私に言うことに多少は関心を示してくれるのではないかと思うので、改めて記事として書いてみることにした。 私が過去に記事にしたのは2016年10月の日銀金融政策決定会合において、ETFの年間買い入れ額をそれまでの3.3兆円から6兆円へ倍増させた少しあとであったが、当時はチャイナショックも落ち着き、ブレグジットの影響も乗り越え、トランプラリーの効果もあって、世間は「さあこれから怒涛の上昇相場が始まるぞ」といった空気に満ち溢れていた頃だったので、私の記事など「こいつ何言うとんねん、そんなことあるわけないやろ」としか思われなかったと思う。 しかし当時から私はいずれこの問題に直面する時が来る可能性が極めて高いと思っていたから記事にしたのである。
 では今から私がそう考える根拠というほど大げさなものではないが具体的な数字を使って述べてみたい。 なおこの数字は日銀のホームページにおいて公表されているものなので嘘偽りのない数字であることを申し添えておく。 具体的にはこの中間決算における数字から拾っている。 中間決算時点(H30/9月末)で日銀の保有するETF(除リート)は取得価額21兆7590億円に対し、時価評価額は28兆9636億円で評価損益は7兆2045億円のプラスである。 そしてその時点での日経平均は24120円である。 ということは今現在の日経平均20360円の水準であれば、決算時からおよそ15.5%下げているので時価評価額は24兆4742億円となり、評価損益は2兆7152億円のプラスとなる。(ここでは30年10月以降の買い入れ分については単純化のため考慮しない)  さてここで日銀の資本(純資産)を確認しておくと、資本金1億円と法定準備金が3兆2226億円、それに中間利益金8279億円を合わせた4兆507億円がBS上の資本(純資産)であるが、実質的な純資産としてはこれに債券取引と外為取引の損失引当金5兆4297億円を加えた8兆6525億円だと言える。 つまり大まかに言えばこの金額をETFの評価損益のマイナスの方が上回れば債務超過となることになる。 じゃあ日経平均がいくらになったらその水準に達するのかということになるが、具体的に計算してみよう。 現在の下げ局面において多くの人が下げてもここまでぐらいだろうと考えていると思われる18000円で計算してみる。 中間決算時点の日経平均が24120円であるから18000円は74.6%の水準となり、日銀保有のETFの時価評価額は21兆6068億円となる。 つまりこの時点で取得価額を少し下回りプラスの評価額は消えることになる。 では日経が15000円になったらどうなるか? 計算すると3兆7437億円ほどのマイナスとなるがまだ債務超過には至らない。 じゃあ11000円なら? 計算すると8兆5516億円のマイナスとなってほぼ資本(純資産)と同額になる。 つまりこれ以上日経が下がれば日銀は債務超過に陥ることになるのである。 まぁ分かり易く日経が10000円になったら日銀は債務超過になると現時点では思っておけばいいだろう。
 現時点では上記のような状況となるが、日経平均が10000円になるなんてありえないと思う人にとっては日銀の債務超過はあり得ないということになり、そこはこの先の相場をどう考えているかで違ってくると思う。 なので必ず日銀が債務超過になるというつもりはないがその可能性はないことはないというのが私の言いたいことである。 また日銀が債務超過になったからと言ってそれが何なの?という考え方もあるだろう。 日銀の債務超過イコール日本デフォルトではないだろうし・・・、まぁ実際どうなるかは各個人が自分の頭で考えていけばいいことだと思うから私もこれ以上言うつもりはない。 ということで3連休の最終日重たい気持ちにさせてしまったかと思うが、ある程度現実味のあることだと思うので敢えて書きました。 個人的には南海トラフ巨大地震よりも可能性は高いと思っているので。


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